arhifto

ラアノウミ

地下階に店舗を計画するというのは、一般的なセオリーで考えれば集客的な側面では難しいものです。そこで、地下に潜るという行為を好意的な体験に書き換え、弱みをここだからこその強みに変えていこうと試みました。
ここは、汁なし担々麺が提供される飲食店です。麻辣文化は中国大陸から伝播され、唐辛子に至っては、カプサイシンが反応しない鳥に食べられたことによって、世界各地に生息範囲を広げてきたと言われています。
このストーリーを空間体験と結びつけることを考えました。
地下を地中から大陸へと読み替え、床と什器は土を想起させるような仕上げとし、海底で一続きになる大陸のような一塊としています。各大陸（什器）には、唐辛子がその土地で根付いていった様に植物が生い茂っています。
小さな地下空間に詰め込まれた壮大なストーリーが、提供される食事とともに刺激的な体験となって客人を喜ばすことができれば本望です。